そこにやましい気持ちがなければ
群ようこさんの小説をドラマ化した、大好きなドラマ「パンとスープとネコ日和」の中で、何気ない言葉だけど、すごく心に残っているセリフがあります。
主人公アキコが勤めている出版社にて、本の装丁で作家先生に違う意見を言っていいものかと悩む後輩の相談を受けるシーン。アキコは「自分の考えは伝えた方がいい」そう後輩に告げたあとにこう付け加えます。
「そこにやましい気持ちさえなければ」
なんだかこの言葉が、「そっか。そこが基準なのか」。って自分の中でストンと腑に落ちたのでした。
あれはいつだったか…SNSで若い子が、何かに対して抗議をしていました。
内容は、大人から見ると、「おお、これは物議をかもしそうだな」という内容。少し複雑な問題だったので、私は賛成も反対もできないでいましたが、少なくとも、そこにやましさは感じなかった。
きっと、心を悩ませ、言葉を選び、勇気を出して投稿したのだろうなって伺える文章に思えました。
ほどなくして、誰かから意見をされたのか、はたまた冷静になって考えたのか、その投稿はお詫びとともに削除されていました。
正しい正しくないではなく、その一連の行動は、とても誠実で、正直だったという印象。そういうのって、ちゃんと人に伝わるのかもしれません。
(SNSで飛び交う批判の中には、そうではないものもいっぱいあるように思います…)
とかく若い方のそんな正直な気持ちに対しては、大人は寛大でなくてはならない気がしています。小さな叫びは削除されたけれど、言ってみてよかったんじゃないかな。きっとそれは誰かのこころに一石を投じたに違いないから。
3コメント
2016.10.05 10:29
2016.10.05 10:14
2016.10.05 08:48