電話

ある朝、一人きりの家の中で、電話の呼び出し音が鳴りました。

そして、聞き覚えのない声は、私にとんでもないことを告げたのです。

防御反応だったのかな?瞬時に悪質な悪戯だと思い込んだ私は、少し怒りにも似た声で、

「それ、本当なんですか?」

そう尋ねました。

「嘘だったらどんなにいいかと、私だって思うんです。」

そう話す震える声は、それが真実だと証明するのに十分だった。

あれから何年も経ちますが、私はあの日以来、電話の呼び出し音が少し苦手になりました。

あのとき私には、同じ話を伝えなければならない人がいた。

彼女もまた、電話の呼び出し音が嫌いになってはいやしないかと、たまに思うときがあります。

秋の風に誘われて、急にふと、そんなことを思い出しました。



海日和♪

南国宮崎の海の香りをあなたにお届け。 夫のサーフショップのお手伝いをする毎日、一人の母として、一人の女性として、日々の徒然を気ままに綴ります。

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