終戦の日

終戦の日にはいろいろなことを思う。

私の両親は、私が子どものころに、戦争に関するいろいろを私たちに見聞きさせていた。

なかでも一番記憶に残っているのは、ある夏に公民館で見た

「人間を返せ」
という原爆のドキュメンタリーフィルム。

戦争のひどさとか、原爆がどうこうではなく、子どもの私にとってはただただ恐怖として残った。数日間、夜は怖くて眠れなかったほどの衝撃だった。ある意味トラウマになった。

だから私は、大人になった今でも戦争の夢を見ることがある。

あくまで想像の世界で、夢から覚めると話の内容はおかしなところがいっぱいあるけれど、

とにかく身を潜めて恐れている夢。

子どもの頃の経験が、良かったか悪かったかはわからないけれど、

「戦争は恐ろしいことで絶対にやってはいけないことだ」

そんなあたりまえの常識が身に付いたことは、良かったのではないかと思ってる。

先日どなたかが似たようなことをブログに書いておられるのを見て、私もそういったことをふと思い出していた。

そして宮崎は、特攻隊基地があった知覧のある鹿児島の隣の県なので、特攻隊の方のお話を聞く機会も割と多い。

お兄さんを特攻隊で亡くされた方が言っていた言葉を、今でも覚えている。

「日本人は今、平和ボケをしていると思います。戦争がないことが当たり前だと思っている。日本があの戦争以来一度も戦争をしていないのは、今の世界情勢から言っても奇跡ではないかと思います。その奇跡を起こしているのは誰だと思いますか？」

尊い命を、国のために捧げて散っていった方々の思いを、そんな風に私たちに教えてくださった。

この時期に飛び交う戦争に関するイベントごとや、ドラマ、映画、特集などの露出が、なんとなくだけれど年々少なくなっているように思う。

ただの歴史の一部と化してしまってはいないかと心配になる。

戦争がないというのは、本当に当たり前ではなくなってきているのかもしれない。
連日のニュースに、不安が拭えない。

浅い考えかもしれないけれど、ただただ私は、

大切な人たちを戦争で亡くすのは絶対に嫌だ。そんなこと、とても耐えられない。

これからも、平和が守られることを心から願っています。

一人の女性としての、誰の耳に届くかも分からない小さな願い。