野生の勘
この日は運悪く潮が引いていて、
ガタガタの鬼の洗濯板がむき出しになっていた。
リーフの経験が浅い息子には厳しいコンディション。
しかしながらこの日は、宮崎ではなかなか見る機会のない、ワールドクラスのプロ選手メイソン ホーが、これまたサーフィン界の世界のレジェンド トム カレンと来宮。ちょうどこのポイントに入っていたところだった。
まず到着してそれを知り、
「じゃあオレも入る」
と言った矢先に、メイソン ホーは上がって来てしまった。
雑談をする大人の会話のなかで、
昨日ここで怪我をしたとおっしゃる方の血まみれ画像を、怖いものみたさで横から覗き込み、引きつった笑みを浮かべた息子(笑)。
でも今回は、入ると最初から決めていたようだ。
「メイソン ホーが入ってるからオレも入る」
も、なんとなく気休め程度の理由づけだったようで、上がってくる彼を気にしながらも、ソワソワとしながら、まだ準備が整わない父親を置いて、さっさと入っていった。
男の子らしいなって思った。
お腹がぞわぞわするような緊張感やプレッシャーを感じる気持ちから、逃げるのか?
それともさっさとその感情をつき抜けたいと思うのか?
そのときどきで答えはきっと変わるけれど、
どちらを選択するかで、見える景色もきっと変わってくるのだろうな。
ちなみに私は、前者を選ぶことの方が多いかもしれない。
できるかできないか?
できないかもしれなくてもトライするべきか?
それとも無謀なことか?
そんなことを判断する野生の勘を、
子どもの時期に、息子達にはたくさん磨いて欲しいと思う。
本当に大切なときに、判断を誤らないように。
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